曲との出会いは
このサイトの管理者であるお菊さんから「こういう企画を予定してるんですけど」と言われました。
私は、「いくつもの曲が浮んでるのですが、書きたい曲はおおよそ決まっています!」なんて言った気がします。
そういえば、「この曲にしよう!」と思ったのはどうしてだったんだっけ?
好きなのは前提としてなんでこの曲にしようと思ったんだっけ?
そんなことを考えていたら、自分も年を重ねたせいか、思い出せない。ひょっとしたら思い出させないように記憶に鍵をかけていたりして!
…なんて自分を本の主人公のように仕立てるのはやめておくとして—。
ゆっくり、ゆっくり時間をかけて思い出してみました。
そしたらこの曲との出会いをふと思い出しました。
それは、私がインターネットの動画サイトにのめり込み、その後一時期離れ、また数年ぶりに動画サイトを開いた時のことです。
…
……
………
「なんだこの曲は!?」
と物凄く衝撃を受けたことは、昨日のことのように思い出せるのです。
私が動画サイトにのめり込んでいた当時は動画も一枚絵が多く、音楽を楽しむことより、動画すなわち絵の綺麗さを優先していました。
そして私が動画サイトから離れていた時期に環境は一変しました。
一気にカラフルになったんじゃないかと思うくらいに動画の技術は進歩していました。私は一瞬でこの音楽の世界に引き込まれたのです。なんだか飛び出して見えるし、客席で見ているかのような……。
もう、リピート機能で一日何十回も聞いてた私は、翌日には口ずさむようになっていたり。いつの間にか動画も、曲調も、歌詞も好きになっていたことに、自分でも驚いていました。
からくりピエロ 「ボカロ」と「歌い手」
特に好きな歌詞、それは最後の部分になってしまうのですが
【そう 僕は君が望むピエロだ 君が思うままに 操ってよ】
この曲の中の女の子はかなり恋愛で苦しんでいるんだなぁ、そんなことを思ったり。
ずっと待っているのに、来てくれない……。あなたの仕草で壊れてしまうことがわかったからこそあなたのその手で、操られていたほうが幸せなのかもしれない、と気づいてしまうのかなあと。
さらに好きになったきっかけがあります。この曲を作った40mPが事務員Gとともに作り上げる『虹色オーケストラ』という当時はあまり前例のなかった”ひとりのボカロPが監修するライブ”という企画されていました。*1
この曲ですっかり40mPの作り上げる世界観にはまってしまった私は、ぜひともいってみたいと思ったのですが、事情が重なり行けずに終わってしまいました。しかし翌年、会場を変えて更にスケールアップしたライブをするということが決まって、ぜひ行きたい!!と思い無事に行くことができたのです。
その時のコンセプトは私が行きたい!!と思っていたライブとは違う形だったのです。しかし結果的に行ってよかったな~、大満足だ!!という感想がマシンガンのように出てきてしまって、友人に止められるほどの熱狂ぶりでした。
そのライブの中でも特に衝撃的だったのは、出演されていた歌い手さんが歌ったからくりピエロです。
これはもう全身に稲妻が走りました!!
その理由はとても簡単。
キーが変更されていたこと。たったそれだけです。
補足をすれば、動画サイトにはまっていた中学時代から実際にライブに行くまでの間の数年間、ボーカロイドももちろん聞いていたのですが、【歌ってみた】というカテゴリーもかなり聞いていました。ですが当時はボーカロイドのキーで歌っている女性の方、または合唱(※1)ばかりを聞いていたので、キーが変更されているということが私にとってのかなりの衝撃だったのです。
もちろん歌っていた方の歌い方・気持ちだったり、曲に合わせたステージ演出があったからこそ曲が更に引き立っていることは十分にわかっていたつもりでした。
でもそれだけじゃなくて。
完全に40mPの歌という枠を超えて、その人の歌になっていたこと、またそれがきちんと成り立っていることに驚きと感動が混ざった衝撃が生まれたのです。
その衝撃を体感してから今日に至るまで、たくさんの曲に出会ってきましたが未だにこの曲を超える感動や衝撃的な体感をした曲はないといっても過言ではありません。特別視しすぎなのかな、と自分で思ってしまうこともあります。ですがからくりピエロに出会っていたからこそひとりひとりの曲をもっと深く聞いてみようと思うことができたし、このひとのはこっちがよくて、このひとはここがいいなー、とじっくり音楽を楽しむ楽しさを知ることができました。
最後に
もし、あのとき。
聴いてみようと思った曲がからくりピエロじゃなかったら?
動画に気をとられていたら?
ライブに行こうと思わなかったら?
私のボーカロイド曲が好き!という気持ちは、
素敵な曲だけど、もっともっと知ってもらえたら!という気持ちは、生まれてこなかったと思うのです。
人生を変えてくれた!とか、そんな大きなことじゃないけれど、確実に私の中の音楽の世界は広がったと感じているので、月並みな言葉にはなってしまいますがこの曲に出会えてよかったなぁと思いました。
それではまた、次の曲紹介でお会いしましょう。
*1 40mP & 事務員G「虹色オーケストラ」インタビュー ナタリー 事務員Gの発言より引用
※1 複数人の動画(歌声)をひとつにあわせた動画のこと
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