Reboot
諦めた夢や理想ってありますか? 子供の頃は突拍子もない夢や理想が、いつか現実になると本気で信じているものです。私もそうでした。
いつしか大人になって、現実という壁に直面したとき、私たちはその「夢」との決別を迫られる、そんな瞬間に直面します。そしていつしかそんな過去すら記憶の奥底に眠っていくわけです。
しかしながら、やっぱり諦めきれないモノってあると思うんです。どうしても手に入れたい、叶えたい夢や希望を掴み取る、そんな「過去への再起」は決して悪いモノじゃないと私は思います。
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ジミーサムP feat. 初音ミク、巡音ルカ、寒音ジミ
完成されたMVとストーリー
ボカロ楽曲の一つの要素、楽しみとして、作りこまれたMVを楽しむといったものがあります。最近では一枚絵で純粋に楽曲を聞くという形のものが多く存在しますが、このRebootが発表されたころ、所謂ボーカロイドの黄金期は基本的にこういったMVのついたものが非常に多かった印象があります。
またこのRebootにはきちんとしたストーリーとしてMVが存在しており、その完成度たるや、強烈なもので、6年も前の楽曲とは信じられないほどの完成度を誇っています。
MVの内容に関しては、一度失われてしまった友情の再起を描いた非常に感動的なものとなっており、楽曲の素晴らしさも相まって非常に見応えのあるものとなっており、泣ける楽曲の筆頭と言えるでしょう。
大切なモノを失うという辛さ、取り戻すことの難しさや、切なさを非常に美しく、リアルに切り取っています。私はこの楽曲をCDで知ったため、MVの存在を知らなかったのですが、ここまで完成されたものがオリジナルだったのかと今さら衝撃を受けました。
ただ泣ける楽曲と言うなら数多く存在していますが、MVでも泣かせて来る楽曲というと非常に珍しく、過去の名曲のなかでも群を抜いているのではないでしょうか?
歌詞から紐解くReboot
そもそも「Reboot」とは「再起動」という意味を持ちます。パソコンなどを再起動する際に使うIT用語としての側面の強い単語ですね。
ではこの楽曲がどうしてこの名前なのか? MVは友情の再起という意味がありそうですが、歌詞だけを聴いてこの意味を考えてみるとまた違った意味合いが見えてきます。
「僕らは完成を恐れて遠ざけてた」
これは恐らく大人になることへの恐怖や不安を意味しているように思います。
少し現実が立ちはだかるようになってくる少年期、大人になりたいと思う反面、それに対する恐怖があった人も少なからずいたはずです。
それは、自分の叶えたい理想と離れていく感覚を味わったことがある人なら尚の事感じるはずです。
「明かされた真実はどこか期待外れ
哀しみを纏った陽炎」
いつしか成長した子供たちは子供の頃に描いた未来とは違った道を歩み始めます。それはきっと大多数の人がそうで、夢を実現できる人間がほんの一握りである社会の性質上仕方のないことではあるのですが、それは哀しい現実であり、期待したものとはもちろん違ったものでしょう。
しかし、私はこの楽曲の中で最も素晴らしい歌詞であり、本当に泣けるのはこの歌詞だろうと考えている一節があります。
「白黒の舞台から電子の夢を見てる
再生を祈った足音
そして褪めていた四次元はその色を変え
産声を上げた」
懐かしい記憶、過去に夢見た理想の姿。どうしても諦めきれなかった理想に挑戦するという、自分への挑戦としての「再起」。
この楽曲の真に伝えたい事はきっとそこなのではないかと思います。夢を諦めないこと。たとえ現実という大きな壁があったとしても、いつか必ず、また挑戦する機会が来る。その時は、もう一度、挑戦してみようと。そうすれば必ず世界は変わるよと、そういうメッセージなのではないでしょうか?
「夢は見るものではなく叶えるもの」と昔の恩師に教わりました。この楽曲を聞きながらそれを思い出し、いやはやまさしくその通りだなと、感動を禁じ得ないといいますか、思わずうるっとしてしまいました。
最後に
ジミーサムP様に一言「更新が止まってからもう5年が経ったとは信じられないほど、私にはこの楽曲は記憶に新しいものです。初めてCDでこの楽曲と出会い、つい最近になって6年越しにMVと出会い、多くの感動をもたらしてくれました。今でも聞き返しては感動を繰り返す素晴らしい名曲の数々を生み出した活躍は今でも記憶に新しいです。今後、楽曲を出すことがあれば、またきっと素晴らしいものになるとそう感じています。いつまでも新曲を待っています!!」
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