世界はとてもつめたい
あなたは、時間がとまったという感覚を体感したことはありますか?
実際に時間がとまることは無いですよね。
あ、でも、アニメやゲームの中なら、絵や音をとめることで時間をとめる表現をしていることはありますよね。
アニメやゲームの趣味を持っている方なら体感したことがあるのではないでしょうか?
でもやっぱり、現実的に時間が止まるなんてことはありませんよね。
しかし私は、時間がとまるというのは実際におこりうる現象だと思っています。
そこで是非聴いていただきたい楽曲があります。
なぎさんより【clock work】です。
【初音ミクDark】 clock work 【オリジナル】
Music:なぎ
A.Gt:神尾けい E.Gt:yui
Photo:山梔 Illust:さちこ
この楽曲は、なぎさんと親交の深い皆さんで作られています。
優しくも芯のある、ミクの声がとても心地良い楽曲です。
clock work 考察
先ほど、現実的に「時間が止まることは無い」と述べました。
しかし私は、「時間がとまるというのは実際におこりうる現象だ」と述べました。
そうなのです、この楽曲はまさに時間が止まってからの世界を表現されていると強く感じることができたからなのです。
では、この素晴らしい楽曲が、どうしてこのような曲名になったのかを歌詞から推測してみます。
ちなみに【clock work】…和訳では【時計仕掛けの、機械的な、自動的な、精密な】という意味があります。
曲名と歌詞
この clock work は恋愛の曲です。
歌いだしが【私の世界が止まってから一日と半分が過ぎました】と始まるのです。
楽曲の登場人物である【私】は、恋愛で世界がキラキラ輝いて見えて、色づいていたのでしょう。
でも、【君】にはもう会えなくなってしまったのです。
サビに入ると、【泣いてるふりして 一人がよかったって 呟いてみた】と、強がってみせます。
泣いているふりをすれば、【君】に気づいてもらえるからかもしれない、そう思っているのです。
もう、会えない【君】が、何かを言ってくれるんじゃないかと。
つぎの始まりは【私の世界が 色褪せてから 一年と半年が 過ぎました】
と続きます。
一年と半年が過ぎても、忘れられない【私】の想いがぎゅっとつまっています。
そして、特に気に入っている歌詞が
【ねぇ神様 この世界を どうして氷で作ってしまったの】
この歌詞を見て・聴いて、今回のタイトルをつけました。
曲全体を通してあふれる切ない思いが伝わってくるのです。
ですが、この部分は特に、心の奥底に秘めていた【君】への思いを神様にぶつけているんじゃないかな、と感じました。
【君】のいない世界は、【私】の想像を超えるほどの悲しみに包まれてしまっている。
そして氷のように冷たく、さみしく、悲しさにあふれてしまったのではないかな—。
【春に溺れて 夏を追いかけた 秋に焦がれて 冬を抱きしめたの 少しずつ私から君が零れ落ちていくの】
先ほどの歌詞は【君】への思いをぶつけていたのですが、今度は思い出に浸っているように感じます。
擬人法での表現は、日本語ならではの美しさがあって、歌詞だけを見ても綺麗な四季が浮かび上がってきます。
そして私が浮かべた四季の風景はというと……。
暖かい春は、【君】と微笑んで。
日差しの厳しい夏は、【君】と美しい海へ行き。
紅葉の美しい秋は、【君】に切なく思いを寄せて。
銀世界の冬は、【君】に寄り添い抱きしめて。
ずっと【私】が【君】へと一途であり、【君】がいるだけで四季がこんなにも美しく、色濃く、鮮やかに見えていたことは、思いの強さの表れではないかと、推測します。
曲名である【clock work】の由来から推測すると、【君】がいなくなった日常なんて、【私】にとって、とても無意味で、刺激がないし楽しいと思えない。
【clock work=機械的な】
という由来が、私の中ではいちばんしっくりきました。
楽曲について
歌詞の解釈に気をとられてしまいがちで、一番最初にさらっと触れていましたが、曲を奏でるための、音も、とても好きなのです。
打ち込みの音も、年々生楽器に勝るとも劣らない品質になっていると私は思います。(素人耳で聞くと打ち込みか否かという判断が本当にしづらい…。)
でも、やっぱり生演奏は良いですね!
柔らかで芯のあるミクの声を支える、優しく包み込むようなピアノとアコースティックギター。
と、思ったら間奏で力強く鳴り響くエレキギター。
染みます。胸に響きます。一音一音、丁寧に、じーんと染み渡ります。
最後に
歌ってみた向けに作られたオフボーカル音源もあります。
ぜひ一度でいいから聴いてみてください。
私は歌ってみたをやっているわけでもない、どこにでもいそうないちリスナーですがオフボーカル音源を興味本位でダウンロードしたんですよ。BGMとしても素敵なんだろうな~って、軽い気持ちで。
もう、聞き終わったころには、泣いていました。
いや、今はもう泣かないのですけど、うるっとはします。
音だけで聴くと、さらに【私】の気持ちがもっともっと、強く前面に出ているような気がして。心を貫かれたような感じがしてしまって。
この楽曲の登場人物である【私】には、【君】がいなくなってしまっても、いなくなったことを乗り越えて、強く生きていって欲しいなぁ、と感じました。
それでは、また次の曲でお会いしましょう。
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