レコーディング、主に宅録をする際に結構多くの方が最初にあたる壁「音割れ」と「ノイズ」についてまとめました!
そもそもなぜ音割れするのか。
それを知るにはまず「ゲイン」と「ボリューム」について知らなければなりません。
ゲイン
難しいことは抜きにして、ここでは”どれだけの量、音を拾うのか”という値だと覚えて下さい。
マイクの性能にもよりますが、基本的にはゲインを上げれば上げるだけマイクの感度が増し、広い範囲の音を拾うことができます。
しかし、必要以上にゲインレベルを上げてしまうと、声を過剰に拾って、音が割れたり、周囲の雑音や環境音、機械音などを無駄に拾ってノイズとなるのです。
◎宅録豆知識 ・エアコンや換気扇の電源はOFF! (風呂、トイレの換気扇なども忘れずに) ・必要のない電気(蛍光灯)なども電源OFF! ・携帯はサイレントモードにしましょう! ・時計の音にも気をつけて! ・その他、ヘッドフォンをつけてマイクの音量を少しあげてから邪魔な音が入ってないか確認しましょう! 詳細ページ→ 歌ってみたができるまで
更に、ゲインが高い状態で、スピーカーやヘッドフォンなどが近くにあると
マイクで拾った音がスピーカーから音が出る→マイクがその音を拾う→倍になってスピーカーから音が出る
という無限ループで起こる「ハウリング」が発生します。 ご注意下さい。
ボリューム
音量のことです。
機器によっては「アウトプットレベル」などといった呼び方があります。
ミキサーをお使いの方はフェーダーがそれに該当します。
ボリュームとは”ゲインで拾った音をどれだけ外に出しますか?”といったパラメーターです。
つまり、ゲインレベルを選択する時点から音の品質は大きく変化する。という事です。
ゲイン上げすぎで音割れした状態で音量だけ下げても割れたままだし、ゲイン低すぎのスカスカサウンドをどれだけ上げてもスカスカです。
つまり、ゲインがお悩み全てのゲンイン(原因)だということですね!!
はい。
それでは本題の「適切なゲインの調整の仕方」と、「音が割れない録音のコツ」をご紹介します!
ゲインレベルの正しい設定方法
ここでまず知ってほしいのは、こういったタイプのつまみでのレベルの読み方です。
こういったタイプでは、時計の短い針になぞらえて「〇〇時」という風にレベルを表現します。
②だと、9時 ③だと12時 ④は3時 の方向を向いているのでそのように表現します。
①は0です。 OFFの状態ですね
⑤はMAXです。 フルテンという言い方なんかもよく耳にしますね!
ボーカルの録音ではまず見ません。
ゲインでのフルテンは、エレキギターなどがあえて割れた音を使うときに目にしますね!
⑥はコンデンサーマイクを使用する際にONにするPhantom(ファンタム)電源です。
+48V なんて表記もよく見ますね。
⑦はボーカリストが使うことはまずない、Hi-Z(ハイインピーダンス)です。
基本的にはエレキギター、ベースなどが使います。
Phantom電源と並んであったりすることがあるので間違えないようにしましょう!
では本題!
ゲインレベルの設定でどのように録音されるか、確認してみましょう!
まずはこれ↓
これが”正常な形”です。
それではこの”正常な形”に対して、ゲインレベルの変化ではどのような波形になるのかを比較したいと思います。
■音割れの形
正常な形に対してなんだか波形の上下が潰れたような形になっていますね!
この部分が「音割れ」している部分です。
これはミキサーの画像④番、3時くらいのゲインレベルで録ったものになります。
このような設定ではもはや歌声がノイズのように感じることでしょう。
■控えめな形
う~ん。
控えめですね!
ゲインレベルが低すぎるとこのように小さい音になってしまいます。
これでは歌で重要な繊細な部分が録音できておらず、あとから音量をあげても周りのノイズも一緒に大きくなるのでクリアな歌声にはなりません。。
ちなみに、MIXの依頼を受けていると、実はこのタイプの波形をよく目にします。
歌はすごくうまいのに!もったいない!!と、血涙しているMIX師は多い事でしょう笑
■惜しい!!
これは非常に悔しい!!
オレンジ〇の部分だけ音が割れています!!
青〇で限界ギリギリって感じですかね!
これは本当によくある。。
サビで思ったより力が入ったり、ぱぴぷぺぽなどの破裂音で急になったり。
この場合の対処法は
1、もう少しゲインレベルを下げる。
2、歌の抑揚などで力が入る際はマイクから少し距離を取る。
(中級者向け)
3、コンプレッサーなどを掛け録りする。
(上級者向け)
などがあげられます。
無難なのは「1」ですね。
けど、そうしたら他のところが小さくなっちゃうよ! という方は「2」。
「2」はプロの歌手ならレコーディングはおろかライブでも当然のようにしている技なので、今のうちから意識して練習しておくのも良いかと思います!
「3」の掛け録りとは、録音ソフト上でコンプレッサー(音を圧縮し、一定に近づけるもの)を微量にかけた状態で録音する方法です。
これは本当に適切な量で設定できないと結局録りなおすことになるので注意が必要です。
とはいえ、これ実は腕の良いMIX師ならどうにかしてくれます!(当サイトでは無料で修正しています。)
が、どうせ腕の良いMIX師にお願いするなら万全のデータを渡したいですけどね!
と、このようにゲインレベルの設定だけでものすごく完成に差が出ることがわかりました。
実際に録音する際の手順、目安としては
まず、ゲインレベルを9時くらいに設定して、ボリュームは12時くらいにしてみます。
ボリュームのつまみがない機器はゲインだけまずは12時あたりにしてみましょう。
そこでいったん録音ソフトに声を入れてみてから微調整をしていきます。
最終的な目標としては、波形が”正常な形”に近く、音量は ↓
この赤い矢印の「-6 ~ -8㏈」あたりをピコピコしているくらいが良いかと思います。
黄色い〇で囲ってある最大ピークとは、今の録音で-1.1㏈まで音量がでてましたよ!
という事を教えてくれています。
ピークとは0のことを指しており、その0を越えると「音割れ」の状態になる。
と思ってくれればわかりやすいかと思います。
ちなみに
こういったマイク用のプリアンプ(マイクとオーディオインターフェースの間につなぐ、サウンド調整用の機材)なんかもあったりします!
これは私愛用のStudioV3、王道中の王道って感じの機材ですが、それゆえの信頼感はありますね笑
(この画像はASMR録音に使った設定のままでした…。 ボーカル用のセッティングではないのでご注意ください。)
V3などのプリアンプを途中に挟むことで、声に多少のキャラ付けができたり、インプット・アウトプットの量を手軽に調整できたりと、なにかと便利で個性も出しやすく重宝します!
何度か録音してみて、自分に適したゲインやボリュームのレベルを見つけてみて下さい!
この記事が少しでもあなたのお力になれたら幸いです。
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